受注予測(フォーキャスト)会議の進め方:確度区分・確度加重・次アクションの決め方

お役立ち記事|受注予測・会議|2026年10月11日|トンボ合同会社

受注予測(フォーキャスト)会議は、毎週・毎月開いているのに「数字の読み上げで終わる」「担当者によって確度の付け方が違う」「次に何をするかが決まらない」といった悩みが起きやすい会議です。この記事では、確度区分の決め方、確度加重の計算、着地と目標の差の見方、会議の議題と順番、次アクションの決め方までを、試算を交えて整理します。

受注予測(フォーキャスト)とは

フォーキャストは、売上や目標達成の見込みを予測することを指します。ある営業支援ツール企業の解説記事では、「予算」は期間ごとに達成すべき目標として設定した数値、「ヨミ」は個々の案件の受注確度であり、ヨミを積み上げてフォーキャストを出し、それが予算に対して順調かどうかを測る、という関係で説明されています[2]。

ただ、予測の精度に自信を持てている会社は多くありません。米調査会社ガートナーが2020年に発表した調査では、自社の予測精度に高い確信を持っている営業リーダー・営業担当者は45%にとどまり、自社のデータの質が高いと考えている人も47%でした[1]。予測の精度は、会議の進め方より前に、確度の定義と入力されたデータの質で決まります。

確度区分(S/A/B/C/D)の決め方

確度は、会社によって「A・B・C」の3段階だったり、「S・A・B・C・D」の5段階だったりします。公開されている解説記事を見ても、確度Aを80%とする例[2]もあれば、9割以上とする例[3]もあり、決まった基準はありません。大切なのは、自社の中で基準を1つにそろえることです。

担当者の感覚で付けると確度はぶれます。そこで、「顧客の誰が、何をしたか」という確かめられる出来事で区分を定義します。SES・SIの場合の例を示します。

区分定義(確かめられる出来事の例)加重率(例)
S発注書・注文請書を受領した、または内示を書面・メールで受けた100%
A決裁者が採用の意向を示し、契約条件(金額・期間・体制)の最終調整に入った80%
B見積・提案を提出し、予算と決裁者・決定時期が確認できている60%
C課題と必要な体制は確認できたが、予算・決裁者・時期のいずれかが不明30%
D引き合いや情報収集の段階で、課題も体制もまだ確認できていない10%

定義に「予算・決裁者・時期」を入れておくと、BANT(予算・決裁権・必要性・導入時期)の確認状況と確度がつながります。BANTの充足数で確度を分ける考え方は、公開されている解説記事でも紹介されています[3]。

確度加重の計算と注意点

確度加重の金額 = 案件の金額 × 確度区分の加重率
着地見込み(加重) = 受注済みの金額 + 進行中の案件の確度加重の合計

確度加重は、案件数が多いときには全体の見込みを手早くつかめる便利な方法です。一方で、次の点に注意が必要です。

着地見込みと目標の差(ギャップ)を見る

会議で最初に確認したいのは、目標に対して「固い数字」がいくらあり、残りの差をどの案件で埋めるのかです。次の3つの数字を並べると、状況がひと目で分かります。

数字計算見るポイント
固い着地受注済み + S + Aの加重ほぼ確実に見込める下限。これだけで目標に届くか
着地見込み(加重)受注済み + 全区分の加重現状のままで期末に届きそうな水準
追っている総額受注済み + 進行中案件の金額(加重なし)目標に対して案件の量が足りているか

「追っている総額」が目標に届かない場合は、確度を上げる努力だけでは足りず、新しい案件を作る必要があります。「総額は十分だが固い着地が低い」場合は、C・Dの案件を前に進める行動が必要です。どちらの状態かで、会議で決めるべき打ち手が変わります。

会議の議題と順番

会議は、全体から個別へ、数字から行動へ、の順に進めると、読み上げで終わりにくくなります。60分の例を示します。

順番議題時間(例)決めること
1全体の着地とギャップ5分今週の論点(量が足りないのか、確度が低いのか)
2前回の次アクションの結果10分実行されたか、確度が変わったか
3担当者別の着地(達成見込みの低い人から)20分担当者ごとの論点と打ち手
4重点案件(大型・期限超過・確度変更あり)15分案件ごとの次アクション・支援の要否
5次アクションの確認10分誰が・何を・いつまでに、の読み合わせ

前回決めた次アクションの結果を2番目に置くのがポイントです。決めたことが実行されたかを毎回確かめることで、会議が「報告の場」から「行動を決めて確かめる場」に変わります。

次アクションの決め方

次アクションは「頑張る」「フォローする」ではなく、確度を1段上げるために足りない出来事を起こす行動として決めます。

区分ごとに典型的な次アクションを決めておくと、会議の時間を短くできます。たとえば、Dは「課題と体制を聞く商談を設定する」、Cは「予算・決裁者・決定時期を確認する」、Bは「決裁者への提案の場を設ける」、Aは「契約条件と開始日・要員を確定する」といった形です。

試算:四半期の着地とギャップ

試算(数字はすべて仮の条件です。加重率は上の表の例を使っています)

条件:四半期の目標1億円。受注済み3,500万円。進行中の案件はS 800万円、A 1,500万円、B 2,000万円、C 3,000万円、D 4,000万円。

加重の合計 = 800×100% + 1,500×80% + 2,000×60% + 3,000×30% + 4,000×10%
      = 800 + 1,200 + 1,200 + 900 + 400 = 4,500万円
固い着地 = 3,500 + 800 + 1,200 = 5,500万円(目標との差 4,500万円)
着地見込み(加重) = 3,500 + 4,500 = 8,000万円(目標との差 2,000万円)
追っている総額 = 3,500 + 11,300 = 1億4,800万円

総額は目標を上回っていますが、固い着地は目標の55%です。この場合の論点は「量」ではなく「確度」です。たとえばBの2,000万円をAに上げられれば加重は400万円増え、Cの3,000万円をBに上げられれば900万円増えます。会議では、どの案件を上げにいくのか、そのために誰が何をするのかを決めます。

まとめ

COMPASでできること

COMPASの受注予測の画面では、案件をS・A・B・C・Dの確度で管理し、見込みの総額と確度をかけた額、担当者別の着地見込み、月次の売上見込みを表示します。担当者の行を押すと、その人の数字と案件だけに絞り込めます。案件は手を打つ順に並び、案件ごとに「足りない:BANTを確認する」のように、次に必要なことが表示されます。予算計画の画面では、担当者ごとの予算と着地見込み・差を並べ、論点・打ち手と次アクション(誰が・いつまでに)をその場で書き込めます。

営業管理(受注予測)の機能を見る → 会議とマネジメントの機能を見る →

フォーキャスト会議を、数字から行動を決める場に

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出典

  1. Gartner「Gartner Says Less Than 50% of Sales Leaders and Sellers Have High Confidence in Forecasting Accuracy」(2020年2月12日) https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2020-02-12-gartner-says-less-than-50--of-sales-leaders-and-selle
  2. Salesforceブログ「フォーキャストとは?ビジネスでの意味や目的、算出・管理方法まで解説」(2026年6月2日) https://www.salesforce.com/jp/blog/jp-forecasting-explained/
  3. freee「受注確度とは?ランク分けのメリットと『ヨミ表』を使った管理方法を解説」(最終更新日 2025年12月4日) https://www.freee.co.jp/kb/kb-hanbai-kanri/order_angle/

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